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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*いちばん*



 「あたし、負けず嫌いなんだ」

 彼女は突然

 僕に向かってそう言った。


 *いちばん*


 「すっごく負けず嫌いなの」

 
 君の突然の発言に

 僕は

 なんてこたえればいいのか

 言葉に詰まってた。


 
 「なんでも一番じゃないと
   なんだか・・・落ちつかないんだ」


 たしかに君は


 「成績は学年トップだしね」


 入学してからこのかた

 君が学年トップから

 落ちたところなんて

 見たことない。


 「この前の陸上の大会も
    一番だったっけ?」


 走らせても

 キレイなフォームで

 風をきってかけぬける。


 「そういえば去年の文化祭で
   ミスになってたよな」


 すらりとのびた手足

 透き通るような白い肌に

 くりっとした瞳。

 さらさらの髪が風になびく。

 
 

 勉強が出来て

 スポーツも出来て

 信頼も厚くて

 美少女の君が



 「あと、何で一番だったっけ?」



 それ以上に

 何を望む?




 ちらっと君の顔を覗くと

 君は真っ赤な顔して

 言ったんだ。




 「君のいちばん・・・
    まだなってない・・・」




 耳まで真っ赤にして

 いつもは自身に満ち溢れてる君が

 なんだか今日は

 すごくちいさく

 見えたんだ。



 「君のいちばんに
     なりたいんだもん」



 それは君からの

 愛のコトバ。



 「君のいちばんに
     してください」



 声を震わせて

 うつむく君を

 僕はゆっくり

 抱き寄せた。



 「言われなくても
   君はダントツトップ
  爆走中ですから」



 なんでも一番を望む君。

 いい忘れてたけど

 こう見えて

 僕もけっこう

 負けず嫌いなんだよね。


 だからちゃんと

 僕も君の

 一番にしてよね。





 





やっぱ何でいちばんになれてたって
いちばん嬉しいのって
スキな人のいちばんになれた時。

なんて考えるのは
乙女チックすぎますか?(笑)

でもやっぱなりたいもんじゃないですか?
スキな人のいちばん。



私はぶっちゃけなりたいです。




* ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * 

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bbs

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